白髪染めの悩みを美髪プロが解決/第5回・最終回

美髪キープのための白髪染めQ&A 頻度は? 抜くのは? ツヤ消えは? ヒリヒリは? 【美髪プロに聞く】

美髪キープのための白髪染めQ&A 頻度は? 抜くのは? ツヤ消えは? ヒリヒリは? 【美髪プロに聞く】

白髪染めを美しく仕上げたい、少しでもキープしたい…その方法やコツについて、「Hair salon aruca」(福岡県北九州市)のオーナーで美髪を追求する三谷遥さんに連載で尋ねています。

第1回は白髪染めの色選びのコツについて、第2回は生え際のリタッチセルフカラーのコツについて、第3回ではカラートリートメントの活用法について、第4回では話題の「白髪ぼかし」について聞きました。(各リンク先は文末参照)。

今回は、読者の皆さまから寄せられた「白髪染めの悩み」のうち、これまでの回では触れていないお尋ね内容について三谷さんに尋ねました。

Q1: 白髪が全体の20%ぐらいあります。白髪染めで美髪キープを目指すには、どのぐらいの頻度で染め直せばいいでしょうか。費用や時間、手間のことはさておき、「美髪を目的」にした場合の目安を教えてください。

A1: 白髪の量が約20%で、諸条件を考えない、また、日常的にヘアケアを行っている場合は、1~1カ月半に1度のリタッチ、2~3カ月に1度の染め直しを目安にするといいでしょう。

染める頻度や期間は、「白髪の量」「ダメージの状態」「なりたいヘアスタイル」の3要素を考えましょう。白髪の量が多くなると染め直しまでの期間はもう少し短い方がよく、ダメージが強い場合はカットとヘアケアを優先する、また、なりたいヘアスタイルが変われば染め直しのときにトライするなど、髪の状態を見つめて考えましょう。

そのうえでもっとも勧めたいのは、「白髪染めのスケジュールを向こう1年間は決めておく」ことです。

白髪が少なく見えるときは、もう少し置いておこう、と思われるかもしれません。ですが、自分の感覚的な判断では、白髪の伸びかたのほか、髪全体の状態やスタイルが乱雑になってきたことも見過ごしがちではないでしょうか。

白髪が目に入り、全体の乱れに気づいたときは、ダメージはかなり進んでいます。そうなる前に、定期的な染め直しと毎日のヘアケアで、キューティクルを意識して整えることが美髪キープのコツといえます。

「向こう1年の予定を立てる」というのは、それ以上先になると、白髪の分量が増えたり、体調や加齢で毛髪の状態が変化したりするため、まずは1年を目安とするのが得策といえるからです。

それが難しいようなら、美容院で「美髪キープのための次の施術予定日」を美容師さんと相談するとよいでしょう。

Q2: 白髪を抜いてはダメといいますが、なぜですか。生え際に白髪を見つけると、つい抜きたくなります。

A2: 白髪を抜いたとしても、白髪の原因が除去できるわけではありません。白髪は、メラノサイトという色素を生み出す細胞の働きが失われたか、低下や鈍化した結果の状態です。

抜くと毛穴や頭皮、毛根を傷めることになりがちで、そこから新しい白髪が生えてくるとうねることがある、また、もう生えなくなって薄毛になる可能性もあります。つまり、白髪を抜いてもなんのメリットもないわけです。

生え際の白髪が気になるときは、根元のほうから白髪用や眉毛カット用のハサミで切る、白髪染めのリタッチをする、「1day白髪かくし」と呼ばれる、次の洗髪までさっと染めることができるタイプを活用するなどしましょう。

Q3:セルフで白髪染めを2~3ヵ月に1回、3回くり返したところで、ツヤがなくなって、キシキシになりました。ヘアケアはマメにしています。なぜでしょうか。

A3: 「髪のツヤ」とは、黒髪でも白髪でも、毛髪の表面を覆うキューティクルが整っていて、光が反射して輝いて見える状態のことです。ヘアカラーはキューティクルを開いて毛髪の内部にカラー剤を入れるため、カラー剤の性質や、その後の洗髪やケア、ブローの方法などでキューティクルがはがれてツヤがなくなることがあります。

また、キューティクルがはがれたり開いたりすると、そこから内部の栄養素が抜け出して毛髪が空洞化し、キシキシやゴワゴワした感じになって悪循環になります。

ツヤがないと感じたら、一時的にはツヤ出しタイプのスタイリング剤やヘアスプレーを利用する方法があります。

また根本的な解決には、美容院で染め直す、ヘッドスパでケアをする、カットをしてダメージが改善するまでヘアケアに集中する、そして日ごろのブローをていねいに行うなどを試みてください。

Q4:40歳ぐらいまではカラー剤がしみることはなかったのですが、セルフカラーでも美容院で染めても、だんだんとしみるようになってきました。体調が悪いわけではないのですが…。

A4: 40歳~60歳前後の方では、更年期の不安定な皮膚の状態から、薬剤が頭皮に触れると、「しみる」「刺激が強い」「かぶれる」という場合もあると言われます。

美容院でカラーをするときは、必ずそのことを美容師に伝えてください。頭皮の負担が少ない薬剤の提案や、薬剤が頭皮につかない工夫などをしてくれます。

美容院でもセルフカラーでも、2つの液を混ぜて塗るアルカリカラー剤に含まれるジアミンやアルカリなどの成分が原因で、しみたり、ヒリヒリしたりします。そのため、そのタイプのカラー剤を使わずに、白髪用のヘアマニキュアやヘアカラートリートメントを選択するとよいでしょう。

また、セルフの場合の原因は、「洗い流し不足」のケースも多くあります。もう十分に洗い流した、と思っても、さらに1分ほどはシャワーですすぎましょう。

とくに洗い残しが多い、つむじ、後頭部、耳の後ろ、えり足は、頭を下向きにして後頭部やえり足をシャワーで流してください。ただし、頭皮をごしごしこすることは、自分では気付かなくても意外なほど頭皮にダメージを与えるのでNGです。

聞き手によるまとめ

白髪の悩みはつきないがゆえに、プロのアドバイスに耳を傾けてひとつずつ実行すると、思いのほかスピーディにきれいに整ってきてほっとしました。気分も晴れて、美髪キープのためにさらなるやる気も湧きます。今度はこの先の1年間、白髪染めのスケジュールを立てて、実践を試みようと思います。

(構成・文 品川 緑 / ユンブル

SHARE Facebook Twitter はてなブックマーク lineで送る

この記事を読んだ人におすすめ

この記事を気に入ったらいいね!しよう

美髪キープのための白髪染めQ&A 頻度は? 抜くのは? ツヤ消えは? ヒリヒリは? 【美髪プロに聞く】

関連する記事

編集部オススメ
記事ランキング

まだデータがありません。